ブラック/ホワイト(26.5㎝)¥16,000(税抜) ゼビオ森ノ宮

ナイキのカーボン厚底シューズのセカンドグレード(アルファが出たのでサード?)。耐久走行距離800㎞と言われているが、ヴェイパーフライと同じようなアウトソールのパターンからしてそんなに持つのか疑問・・
板バネ効果でオートマチックに足が回ると高評価の一方、ある程度の脚とフォームが完成していないと重さも相まって扱えた物ではないという意見もある。
基本的にジョグレベルの走りしかしないが、どうしても試してみたくなった。

試着
つま先はナイキにしては余裕がある。基本的にナイキのシューズはナローワイズなので裸足のまま履いているが、これならソックスも履けるかも。ソックライク構造のためか、ヒールカップ内側にリブがあるためか、踵のフィット感は良好。ターボ2やペガサス37ではどうしても踵が甘かった。アッパーはヴェイパーフライと同じような半透明素材だが、裏地にメッシュを挟んでいる。アッパーの耐久性を考えてなのか。
軽く足踏み程度でも跳ねる感じはある。店内で小走りした感じでは、想像していたよりクッションはしっかりしている。店員に扱い方を聞いたところ、ミッドフットで足を置くだけで反発があるので、無暗に蹴りこんだりしない方がいいらしい。

インプレ
さっそく靴を履き替え、大阪城周辺を走る。試着では意外と硬めで不安だったが、走り出すと実にイイ感じのショック吸収!アスファルトでも突き上げ感は皆無。着地時の沈み込みも少ない。むしろこの位の方が安定感あって良い。そして、肝心のバネ効果は、㌔4分の本気ラン~㌔6分ジョグまで万能サポート。いちおうレース用シューズなので、かなり蹴り込まないとバネ効果は得られないのではと心配だったが、全く杞憂だった。低速かつピッチ走行でもそれなりに跳ねてくれるので、走り出した後は永久機関のように勝手に足が回る。そして、このシューズの真骨頂はやはりフォアフット。反発のレスポンスは速く大きくなり、まさに坂を駆け下りるに等しい加速感!問題はこの速度に耐えられる心肺と筋力があるかだ。
自動走行でこちらが担当するのは、大臀筋を引き締めて上体と下肢の連携を意識し、足を直下に置く。そして、頭から足まで棒のように一体化させつつ前傾し、エネルギーリターンの反発を推進力に変える。
昨日は20㎞走り、今朝も購入前に7㎞ほど走っていたので、試走は10㎞未満に抑えようと思っていた。しかし、半自動的に走り続けるので結局15㎞になってしまった。ここまで伸びたもう1つの要因が安定感あるショック吸収性。もはや薄底での衝撃に耐えられる足ではないが、だからと言って厚底なら何でもいいという訳でもない。柔いソールは確かに地面からの衝撃を緩和してくれるが、着地が不安定になり足首に負担がかかる。しかし、本品は着地時の沈み込みを感じるより早くカーボンが衝撃を反発力に変換するため、足に掛かる負担が半減している気がする。これまでのナイキシューズにない、しっかり感あるショック吸収を感じていたのはこれかも知れない。

総括
ヴェイパーフライがエリートランナーの魔法の靴とするなら、ズームフライ3はホビーランナーの魔法の靴だ。
カーボンによる高反発は高速~低速まで有効。しかし、このシューズの醍醐味はフォアフット。まさに下り坂を駆けるに等しい加速感!これを履くなら嫌でもフォアフットをマスターするしかない。