¥67,800 中古
須山補聴器という日本メーカーのイヤホン。ライブなどでアーティストが嵌めているカスタムイヤホンは、ここのモデルが多いらしい。ネットのインプレで実にエロいヴォーカルを再生するという。スピーカーではジャズやクラシックを聴いたりするが、ヴォーカル曲はヘッドホンかイヤホンがメイン。
再生プレーヤーはFiio M17。DCモードで音源再生に抜かりなし。そして、ESTを一聴して初めに感じたのは暗い・・。しかし、音のクリアさは別格!音世界への没入感がヤバい。これまで色々と聴いた何十万円レベルのヘッドホンやイヤホンと比較しても、微小なザラツキや分離感が皆無で実に滑らか。さらに聴いていると、暗いと言うより音楽を聴きやすいレンジに絶妙に調整しているようだ。快晴の屋外では裸眼よりも、高性能サングラスが見やすいように。バックグラウンドにあるホワイトノイズ感や、無駄な明るさをフィルタリングして音楽に没入させる。それでいて音の鮮度は失っていない。レーザーやスモークが飛び交うライブ会場ではなく、真っ暗な舞台の中央にスポットライトのみ当たっているような。この引き込まれるような独特の"場"の表現は、これまで聴いた機器では見られない。数十年前に聞いたER-4Sに近い気がするが、あれほど冷たい音ではなく、艶や低音のタイトさもある。
最近はイヤホン、ヘッドホンを買うと必ずリケーブルしている。今回もバランス化リケーブルした。FitEarシリーズのケーブルコネクタはメーカー独自規格のため、通常の2pinケーブルは使えない。苦心して手に入れた専用リケーブルに替えてみた。普段の聴きなれた明るさを取り戻した。しかし、コレジャナイ感が湧いてきた。あの独特の"場"までも消え去り、クリアだがありきたりな音になってしまった。真のオーオタは一周回って、アンバラに回帰するというのがよくわかった。しっかし、純正ケーブルはハリが強くて取り回しにくいんだよなぁ・・